第3話 詐欺のはじまり
この記事はフィクションではなく、実際に起こったことを記録しているものです。一人でも多くの方に届き、詐欺の被害を未然に防げたり、渦中にいる方でも被害を最小限にとどめられるようにしたいという思いでお届けします。
詐欺の始まり方
第1話
yuzen-yuzen.hatenablog.com
第2話
yuzen-yuzen.hatenablog.com
1話、2話では詐欺にあったと「判明した」こととその後に取ったアクションについて説明しましたが、今回から数回は詐欺の内容について丁寧にお伝えしていきます。
最初のコンタクトはFacebook(or インスタ or Twitter)
その女性は僕のFacebookに友達申請をしてきました。名前はYeonaと書いてありました。韓国系の顔が整った方でした。当然ながら知らない人なので、しばらく放っておきました。
Facebookは、無視をしていても破棄しない友達申請については継続して顔が上がってくる仕組みになっているようです。しばらく意識にも上らずそのままにしておいたのですが、2021年1月の末頃でしょうか、iPhoneでチェックしていたら思わず承認ボタンを押してしまっていたようです。これがすべての始まりでした。
友達申請を受け入れてから
ここからFacebookメッセンジャーでメッセージが入っていました。「こんにちは」
数日無視をしていました。僕はなぜ自分のところにメッセージが来たのかの理由が分かっていませんでした。なぜなら友達申請の承認ボタンを自分で押してしまったことに気が付いていなかったからです。
「なぜあなたは返信しないのですか」
そのうちこのようなメッセージが届くようになります。
「あれ、以前Twitterでアメリカの宇宙飛行士のような方からもこのような連絡が来たような気がする。。」そんなことを思いつつ、英語を使った仕事をしているためか外国人とのコミュニケーションができることには興味があったので「こんにちは」と返事をしました。するとすぐに相手から返事が来て、どうやらコミュニケーションは成立しはじめてきました。かなり鬱陶しかったので適当にあしらっておりましたが、時間が空くたびに「なぜ返信をしないのか」という旨の連絡が届くのです。そのたびにしかたなく返事をしておりました。
そのうち、こんな疑問がでてきてFBのメッセンジャーに書いてみました。
「あなたはなぜ私とコミュニケーションをとることに時間を費やすのですか?」すると相手のYeonaさんからは「あなたは私を理解していない」という半分怒ったような返信が来るのでした。
それからも、メッセージが途絶えることは一切ありませんでした。
徐々に距離を縮めてくる
彼女はあるとき唐突に自己紹介を始め、アメリカ軍の軍医でアフガニスタンに駐在していること、諜報活動のようなことをしていること、イギリスに8歳の息子さんを置いてきていることを教えてくれました。今度は、息子さんと二人の写真(どうやらシングルマザーの様子)、お医者さんの同僚との写真、プールで友達数名と一緒に遊んでいる写真もはさみながら徐々に僕との距離を詰めてきている感覚はありました。
特に刺さったのが、息子さんのことでした。息子さんは「学校の授業で退屈なときに、私にメッセージを送ってくる」ということもとてもリアルでした。うちの娘も同じ8歳、親子が離れていると寂しいこともあるだろうなと思いました。
このながれで、徐々にターゲットとして狙われていくようになったのです。
多くの人が詐欺を未然に防げるように
そして
渦中にいる方も被害が最小限で抑えられますように。
優善 拝
第2話 「詐欺だ」とわかってからのアクション
この記事はフィクションではなく、実際に起こったことを記録しているものです。一人でも多くの方に届き、詐欺の被害を未然に防げたり、渦中にいる方でも被害を最小限にとどめられるようにしたいという思いでお届けします。
「詐欺だ」とわかってから
①ジェトロ 貿易投資相談窓口
03-3582-5651
電話をした先で細かく状況を話したところ
「はい、それでは担当のものから折り返しご連絡をさせていただきます。」
「非通知設定での折り返しとなりますのでご留意ください。」
との非常に親切な対応をいただき、安心しました。
その後、仕事があったため電話を取ることができず、後でメールが届いていました。
内容は以下の通りです。
↓
▼「国際ロマンス詐欺」
www.jetro.go.jp
と呼ばれているもののようで昨年2020年くらいから被害が報告され始めているようです。
# ロマンスはなかった・・・
# 妻子持ちですが何か
詳しい内容については次の回で話します。
「あー、そういうことだったのね」という変な納得感がありました。
40歳にもなればそれなりには修羅場を経験してきているのですが、さすがにこのような経験は初めてです。
同時に、このままではお金が回収できないことを悟りました。
気が動転してひとり家の中を歩き回りました。「まてよ、まてよ、まてよ、何かいい方法がある・・・」
そんな思いとは裏腹に、事務的に進めなければならないこともある。
次にやるべきことは
②警察に被害届
を出しに行くことでした。
仕事を一旦休止し、隣駅の警察署に行きました。駅についてから電話し、概要を話した上で、これから面談をお願いしたいと依頼しました。
警察のTさんはとても親切に、且つ真剣に対応してくださいました。誠実さが伝わってきました。
「これね、もうわかっているかと思いますけど全部設定ですから。」
「最近こうした報告が多く上がるようになってきています。」
「いまできることとしては、送金した口座の凍結することです。」
「お金は戻ってこないと思ってください。」
という言葉をいただきました。
わかってはいるものの心の中にはナイフが「グサッ グサッ」と刺さっているようでした。けれども努めて冷静さを保ちながら対応しました。
②´ホームレス小谷さんへ連絡
なぜ?と思われるかもしれませんが、オンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所で知った「小谷家族」というコミュニティに入っていたので、この人生に一度あるか、ないかという詐欺にあった経験を伝えました。
community.camp-fire.jp
彼のことを知ったのは1年ほど前でしたが、コミュニティに入ったのは最近でした。このコミュニティは何かを学べるとか何かの情報を得られるという特別なものでもなんでもなく、ただ「小谷さんと彼を慕う素敵な人たちの集まり」です。
彼は「どんなことでも『おもろがる(おもしろがる)』ことができたら素敵だよね」という考えを持っていらして、僕は小谷さんのことが大好きなのでした。すぐに彼は僕の様子を察してお返事をくださいました。コミュニティでもそのことを触れてくださり、「出会いがしら」といってをサポートをしていただけることになりました。
# 感謝しかない
# 神ホームレス
# かっこよすぎる
全く想像していないことだったので、警察署での待ち時間、一人泣きました。
このご恩は決して忘れないと心に刻みました。
# ホームレスに相談し支援されるサラリーマン
# なんなんだホームレス小谷
# ホレテマウヤロ
③消費者センターに連絡
警察署でのやり取りが一通り終わってから、警察の方のご厚意でそのまま部屋をお借りし各署へ連絡。
・消費者ホットライン 188
・消費者ホットライン平日バックアップ相談 03-3446-1623
188に最初電話しましたが、つながらず平日バックアップにつなぎ30分ほど待ち接続できました。
連絡した結果、被害状況の説明に対して、当然ながら消費者センターのご担当者様が出来ることはありませんでした。もともとダメもとでかけた電話でしたのでこれについてはとても納得ができました。やるべきことはまだあると思い、次に切り替えました。
④各銀行への連絡
振込をしてしまった二つの銀行に問い合わせをしその口座からお金を取り戻せるかの確認をしました。結果はいずれも否。そのことも理解できます。詐欺ですからお金をとることが仕事です。
三菱UFJ銀行はすぐに口座を調べていただきましたが、残高は1,000円以下、みずほ銀行はそれら含め公告が出るまで半年くらいかかるということでした。
・みずほ銀行 振り込め詐欺等の対応コールセンター 0120-233-862
・三菱UFJ銀行 振り込め詐欺等の対応コールセンター0120-860-413
金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先 | 金融犯罪の手口 | 一般社団法人 全国銀行協会
法律では、1,000円以上の残金がある場合、その口座に入ったお金を分配するということが可能だとのことです。
振り込め詐欺救済法とは | 金融犯罪の手口 | 一般社団法人 全国銀行協会
ここまで対応を完了するのに5-6時間くらいかかったでしょうか。
当たり前ですが、初めてのことでしたので時間がかかります。緊張もしているので、体もこわばっていました。ひと段落ついたころ、最初にアドバイスをいただいたDさんへ報告し感謝を伝えました。
詐欺だと判明してから一日でここまで何とか対応はできました。その日はほとんど全く仕事は手につきませんでした。
さて、
次回はどんな詐欺の内容だったかについて説明していきたいと思います。
多くの人が詐欺を未然に防げるように
そして
渦中にいる方も被害が最小限で抑えられますように。
優善 拝
第1話 「えっ、詐欺?」
告白します。実は詐欺に遭っていたことが「わかり」ました…
この記事はフィクションではなく、実際に起こったことを記録しているものです。一人でも多くの方に届き、詐欺の被害を未然に防げたり、渦中にいる方でも被害を最小限にとどめられるようにしたいという思いでお届けします。
2021年2月22日に判明しました
詐欺というものは、一般的に「詐欺に遭った」と表現しますが、正直な気持ちとしては、「そうだとわかった」という状態。
実際、連絡を取り合っていた彼の方は
「信頼のおける」
「いい人」
でした。
不思議とまだそんな感覚ですが、時間の経過とともに複雑な感情が渦巻いております。
おそらくそうだと分かってからまだ2日目で、気持ちが落ち着いていないのかもしれません。けれども、このリアルな気持ちや体験を言葉に残すことが、多くの方のお役に立てるのではないかと思いこうして言語化することにいたしました。
ここで書こうとしていること
は
1)詐欺の内容
2)どんな気持ちで行動したのか
3)詐欺とわかってからのアクション
4)詐欺に遭った後に起こること
5)詐欺の仕組みについての考察
6)この経験をどのように役立てていくか?
7)これからどうしていくか
です。
知り合いもいなくて、誰に相談していいかわからないという方が検索しやすくなるようにこれから記事をまとめていきたいと思います。
ちなみに、タイトルに「あたくし」という一人称を使っているのは、尊敬する故 桂歌丸師匠が使っていた一人称で、それを使うことで少しでも自分へのダメージを逃したいという意図があります。そして、きっと歌丸師匠なら「かっかっかっ!」と笑い飛ばしてくれそうな気がしています。
当然ではありますが、心は傷付いており、整理もまだついていませんので、その辺りも前提として読んでいただけますと幸いです。
どうやってわかったの?
まず、詐欺の内容について書く前にどうやってそれがわかったのかを共有します。
運だけはいいんです。
# いや説得力ないでしょ
# ホントだってば
# 人に恵まれてるのが自慢なのよ
2月の
19日(金)にお金を振り込み、
21日(日)にさらにお金が必要だとわかり、
それでもまだ「借りる先を探していた」んです。
「危険な案件だ」とわかっていたのに、です。
わかっていたのに、お金を振り込んでいた。。。
この心の動きってとても興味深いので後ほど語ることにしましょう。
マーケティングの真髄ではないかと思うくらいです。
話を戻します。
この案件が「詐欺だとわかる」までに至ったのは3つの要件があります。
1)人助けをしたい / できると心底思っていたこと
2)その前提ならお金を貸してくださる人がいると思い付いたこと
3)その方が真剣に話を聞いてくださり的確なアドバイスをくださったこと
1)人助けをしたい / できると心底思っていたこと
意外といい人なんです。
# 自分でいうな
# 優しいの
# それが弱みでもある
連絡を取り合っていた方が女性だったのですが、非常に誠実だったので信じ切っていました。本当にその人の力になってあげたいと思ったんです。それらも設定だっというのに。その人を信じたことについては、結果過ちではありましたが、自分のポリシーには反していませんでした。
だから余計に重いんですよね。
# ずっしりきてます
# こういう性格損かな
2)その前提ならお金を貸してくださる人がいると思い付いたこと
あたくし、直感が働くんです。
ピンときました。「あ、Dさん(仮)に話してみよう!」となりLINEで電話相談のアポを取らせてもらいました。Dさんはとても優しい人で、アポを受けてくださいました。
# やはり性格大事
# 誰と付き合うかはとても大事
# 優しい人がいい
3)その方が真剣に話を聞いてくださり的確なアドバイスをくださったこと
Dさん、神対応でした。
「この人のことを手伝うのにこれくらいの金額が必要なんですけど、、」と相談すると、状況を一つずつ整理してくださり「優善さん、それ危険なやつですよ」と話してくれました。自分でも危険な案件だとわかっていたのに歯止めが効きませんでした。
それを優しい言葉で諌めてくださったDさんでした。
この3つが重なって
あたくし、これが本当にまずいことだとわかりました。
冷静に振る舞って、Dさんと一緒に次のアクションを確認しました。
そしてすぐに行動しました。
この続きは、次回。
多くの人が詐欺を未然に防げるように
そして
渦中にいる方も被害が最小限で抑えられますように。
優善 拝